白内障とは、目の中の水晶体(レンズ)が濁ることにより、視力が低下する病気です。
初期の白内障のうちは手術をする必要はありませんが、白内障が進行して眼鏡をかけても日常生活に支障を感じる場合には、手術が必要になります。
白内障手術では濁った水晶体を取り出し、代わりとなる眼内レンズを挿入します。
眼内レンズには単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。
単焦点眼内レンズはある1点にピントが合うレンズです。すべての距離にピントを合わせることは不可能で、ほとんどの場合、眼鏡が必要となります。1点にピントが合うレンズなので、ピントが合う箇所では多焦点眼内レンズよりもくっきりみえます。
多焦点眼内レンズはピントが合う位置を分けたレンズです。現在、国内で承認されている多焦点眼内レンズは近くと遠くの2点にピントを分けたレンズです。単焦点眼内レンズと比較して、眼鏡の使用頻度を減らすことができます(眼鏡が必要なこともあります)。
二重焦点レンズであり、若い頃のように見たいすべての距離にピントを合わせることができるレンズではありません。入ってきた光を、レンズが遠方と近方に分けるため、全体的にくっきり見えなかったり(コントラストの低下)、暗所で光が散乱し、光の周辺に輪が架かって見える現象(ハロ・グレア現象)がでることがあります。
精密作業や夜間の運転に従事する方には不向きな場合があります。
見え方は手術後、時間と共に、また両眼に多焦点眼内レンズを挿入することで、徐々に慣れていくことが多いですが、どうしても慣れない場合は単焦点眼内レンズへの交換が必要になるケースもあります。
詳しくは担当医にご相談ください
単焦点眼内レンズは通常の保険診療です。
多焦点眼内レンズを使用する白内障手術を受ける場合、
当院では選定療養の費用として、通常の診療費とは別に以下の金額をご負担いただきます。
多焦点眼内レンズの種類 | 金額 |
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テクニス マルチフォーカル ワンピース | 135,700円 |
アルコン アクリソフIQ PanOptix シングルピース | 162,100円 |
アルコン アクリソフIQ PanOptix トーリックシングルピース | 184,100円 |
選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。令和2年4月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、
厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。
多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明致します。