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手術教育システム

外科系診療科である眼科診療において手術は必須の治療法の1つです。しかし、現在その習得は教科書・ビデオによる座学と症例検討会などの個別指導のみであり、旧来の徒弟制度と大きく異なるものではありません。しかし、徒弟制度での技術習得では、多数の若手の教育や均一な教育成果を挙げることはできません。そこで我々は若手眼科医の手術技能習得のため、まず、硝子体手術と白内障手術に関する手術教育システムの構築を行っています。

これまで

眼科手術を研鑽する方法として、これまでは①手術室での外回り&見学、②手術助手、③先輩医師と共に執刀するという流れで行われています。このシステムの問題点は、①、②の段階と③に大きな隔たりがあること、指導者が症例毎に変わることで、一貫した技術伝達が難しいということ、また適切な症例選択がなされないという問題点があります。
そこで当教室では新しい手術教育システムを採用し、より良い医療を提供できる医師を増やすことを目指しています。

当院での試み

手術技術は、①疾患に対する知識、②術式、術中に起こる事象の理解、③実際の手技を通して向上していきます。
当科では、毎週の術前・術後症例検討を通して、症例毎の注意点を議論、結果報告を行うことで、知識の共有化、術式、術中の注意点を勉強していきます。また症例毎の注意点を議論すると同時に、手術に必要な技術を評価し、執刀する医師と執刀する症例が一致しているかを確認しながら、技術の向上を目指します。

教育システム概要

①症例の難易度評価と必要とされる手技の難易度評価、および、術者のスキルの到達度評価をおこない、難易度とスキルをマッチさせます。そのために評価項目の抽出と点数化を行なう。適正な評点になるまで、試行錯誤を繰り返します。

②術者のスキル判定のために、申告しているレベルが適正であるか、上級医師による判定試験をおこないます。レベル昇級は各若手医師が定期的に申請し、その都度判定をおこなっていきます。

③データ蓄積のために、症例の術前評価、術者のレベル評価、術中評価(手術動画の保存)、術後合併症のデータベース化をおこないます。

④術中指導のために、インカムによる無線通信システムを導入しています。

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