OCT Angiographyは光干渉断層計であるOCTを応用し、網膜の血流を造影剤無しで描出することを可能としています。この技術を用いることで、網膜血流の経時的変化や血流の層別解析が可能となり、網膜血流に関する新しい知見が得られることが期待されています。
OCT AngiographyはもともとドップラーOCTからの派生として開発されました。救急車のサイレンで有名なドップラー効果は、観測者から見て移動する物体が発する波の周波数が変化することで生じます。OCT Angiographyではこの移動する物=赤血球とすることで、網膜内の血流をOCTの信号から抽出することを可能としています。
OCT Angiographyの利点は、①非侵襲であること、②高解像度の画像が得られること、③層別に解析することができること、などがあります。
網膜血流評価ではフルオレセイン造影検査やインドシアニングリーン造影検査など、検査に造影剤が必要であるため、比較的侵襲の強い検査でした。
OCT Angiographyでは赤外光で撮影するのみですので、被検者の負担は軽くすみます。
またOCTの性能向上により、画像の解像度も良好なものが得られるようになっています。
そしてこれらの画像は3Dデータですので、網膜の層別に解析することが可能となり、これまでの造影検査では得られなかった治験が得られるようになっています。
当院ではOptovue社のAvanti XRとZeiss社のCirrus HD-5000を用いて、臨床的研究を行っております。